PEACE ONスクールバスプロジェクトについて

戦前からイラクの障がい者を取り巻く環境は概して厳しいものでしたが、イラク戦争と占領の混乱の中で多くの障がい者福祉施設が略奪の被害にあったり、政府からの予算も後回しにされたりと、依然厳しい立場に追い込まれていました。特に通学用のバスが足りず貧しい家庭の子ども達の多くは学校にすら通えていないというので、PEACE ONでは2003年10月の設立時、アルヌーア盲学校を皮切りにバグダード市内の障がい者福祉施設へのスクールバスプロジェクトを開始しました。

搬送のコストと地域経済の活性化を考え、3500ドル前後の中古のワンボックスカーを現地で調達します。ただ施設に預けるだけだと、メンテナンスが出来なかったりドライバーによる盗難などもあったりするというので、バスはPEACE ONが所有し、信頼のおけるドライバーもこちらで準備して通学のサービスを提供するという形です。

イラク人ドライバーは原則ボランティアですが、午後や休日など学校への送迎がないときは自由にバスを使えるという契約を交わします。乗り合いタクシーなどの仕事で収入を得ることが出来るので、メンテナンス等は原則としてドライバーの責任で行います。

 

バグダード市内障がい者福祉施設へのPEACE ONスクールバス支援の実績

○アルヌーア盲学校 -ハイアルサラーム地区-

 

1号バスNISSAN 03年10月購入〜04年春故障により変更

2号バスHYUNDAI ブルー04年3月購入〜04年6月(アルマナーへ)

4号バスHYUNDAI レッド04年8月購入〜05年秋

 

 

○アルアマルろう学校 -アルマスバー地区-

 

3号バスHYUNDAI イエロー04年3月購入〜04年12月(労働省からのバスが充足し終了。アルマナーへ)

 

 

 

○アルマナー身体障がい者施設 -サイディア地区-

 

3号バスHYUNDAIイエロー(アルアマルから) 05年春〜06年春

2号バスHYUNDAI ブルー(アルヌーアから)04年9月〜06年春



 

イラク国内の急激な治安悪化から、ドライバーが武装組織から脅迫をうけたり、事件に巻き込まれそうになったりして、残念ながらバスの管理、維持だけで協力者達の生命が脅かされるようになってしまいました。通学を控える子どもたちも増えていて、現状ではスクールバス支援の効果と比較してそれにかかる協力者達へのリスクがあまりにも大きいので、残念ながらスクールバス支援は現在中断しております。20076月現在、再開できる目処はたちません。車両維持のコストとリスク削減のため、まず1台は売却してその他支援用資金にしました。

なお、バス支援中断の代替支援として、2005年秋にアルヌーア盲学校の施設内にプレイグラウンド設営、2006年夏にはアルマナー身体障がい者施設に特別運動&身体機能維持用器具一式を寄付しました。これらは現在外出すらままならない子どもたち、主に施設内の宿舎で生活する子どもたちを対象にしたストレス緩和も含む教育支援の一環です。